create creation, sapporo

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札幌市資料館リノベーションアイディアコンペ 最優秀賞 / 札幌国際芸術祭2014展示
北海道札幌市, 2014

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english / presentation pdf
2014年に開催される札幌国際芸術祭のプログラムとして行われた、札幌市資料館(旧札幌控訴院)のリノベーション計画。
札幌の中心に位置し歴史的建造物である資料館を、市民が創造性を発揮できる拠点として活用する設計と用途が求められた。

私たちは市民とアーティストによる札幌の新しい文化を創りだすため、資料館に工房を増築し、札幌の創造活動の中心とすることを提案した。そしてその制作風景を公開することで市民が創造活動自体に参加するきっかけを創れないかと考えた。
まず設計の特徴として、資料館と庭園のつくる歴史ある環境を壊すことのないよう、高さを可能な限り抑え、また木々を避けるように工房を増築している。半地下の工房からは青々と繁る木々が臨め、地面がむき出しになったようなその壁は、土の中にいるような感覚を工房全体に与える。そうすることでこの工房は、都市の中心に建っているにもかかわらず、札幌の歴史が作ってきた自然に包まれた空間となっている。

中央の壁の高さを下げることによって、一つの空間でありながらも、場所によって空間の質が大きく異なっている。視線の通る中央部は大勢の市民が使うワークショップに、周縁部のアトリエ空間はアーティストのためのアトリエとしている。緩やかにつながる互いの領域が相互に刺激を与え合うことで、創造活動を活性化させる。

また庭や空中広場からは、工房での「創造活動」をのぞきこんだり体験することができる。彫られかけの石塊、下書きのキャンバス、剥き出しの鉄、リ ハーサルの風景など、普段人があまり目にすることのない作品の裏側は、訪れる人に制作活動への参加を促し、そうして創られた作品はやがて札幌全体に散らばり、市民が創造活動に触れる機運をさらに高めることとなる。

僅か6基の雪像から始まったさっぽろ雪まつりのように、この資料館を中心に広がる「創造活動」もまた、札幌における新たな文化になると考えている。

住所:北海道札幌市
用途:文化施設
設計:2014年4月
主催:札幌国際芸術祭